第1回なぜ子どもは荒れるのか?
みなさん、こんにちは。
伊藤 幸弘です。
本日も私の記事に目を止めていただき、ありがとうございます。
本日から、毎週日曜日に週に1~2回、コラムを書いていこうと思っていますので
よろしくお願いします。
今日は「荒れる子ども」というテーマでお伝えします。
ここでいう「荒れる子ども」とは、
親や周囲に対して非常に攻撃的な子です。
子どもたちの問題行動にはさまざまなパターンがあります。
いわゆる非行と呼ばれる行動をとる子ども、
不登校やひきこもりの子ども、
リストカッティングや摂食障害が見られる子ども。
こうした問題行動を起こす子どもたちの中でも、
家庭内暴力や校内暴力という形で攻撃性を発揮する子どもが
「荒れる子ども」と言えます。
今の時代の子は、
荒れてくると人に対してかなり攻撃的になります。
考えられないようなことを言ったり行動や態度をとったり。
もしみなさんご自身の子どもがそういった行動をとった場合、
みなさんは、どんな対応をしますか?
多くの場合、親は
「お前は病気だ」
と子どもにレッテルをはって、まず医者に治療してもらおうとします。
しかし、「子どもの荒れ」には医者が治療できない原因があるのです。
その理由を解決しない限り解決には向かいません。
その理由が何か。
みなさんは分かりますでしょうか?
それは、
「親子の信頼関係ができていない」
という理由です。
子どもが荒れた時に親としていちばんにやらなければいけないのは
「親子の信頼関係を作り直すこと」
なんです。
それをしない限り、本当の意味で子どもを立ち直らせることはできません。
では、具体的な例を紹介しましょう。
以前僕は、ある少年の面倒をみました。
名前は山本直人(仮名)
僕と出会ったのは彼が17歳の頃でした。
直人の父親は大手企業の社長。
母親は小学校の教師。
兄弟は妹と弟の2人。
両親は仕事で忙しく、
直人が小さい頃から彼らを構ってやることができませんでした。
実は直人は小学生までは勉強もスポーツもできる
”よくできたいい子”でした。
ずっと野球を続けてきて、小学校6年生でエースピッチャーを務め
監督が
「将来は大物になる」
と太鼓判を押すくらいの才能を見せ
中学は野球で有名な私立の名門中学を選び
トップクラスの成績で合格しました。
中学入学後はもちろん野球部に入り、早々にセンスと才能を発揮し
中1でレギュラーの座を獲得しました。
しかし、優秀だと思われていた直人の様子が中1の終わり頃からおかしくなり始めます。
たびたび悪ふざけをするようになり
ついにはエスカレートして部室のロッカーを倒し
友達にケガをさせてしまいました。
それが理由で、1週間の停学処分を受けました。
停学処分がとけた後、何事も無かったかのように学校に戻ったものの
2週間も経たないうちに今度は数人の仲間と
部室でタバコを吸っているところを見つかってしまいました。
野球の才能はあっても何かと問題を起こす直人に手を焼いていた学校は
この一件で直人を退学処分にしてしまいます。
地元の公立中学に通うことになった直人は
中2になると今までとは違う友達と付き合うようになりました。
髪の毛をまっ茶に染めた友達
いつもゲーセンにたむろするような友達
そんな友達と付き合うようになり夜遊びが始まります。
中学入学時に
「自分の部屋が欲しい」
と訴えて親に建ててもらった離れのプレハブがあり
そこにこもりだんだん出てこなくなりました。
学校を休みはしないものの基本的には遅刻ばかり。
帰ってからは遊びに出て夜まで戻ってこない、そんな毎日が続きました。
中3になると言葉遣いも荒くなり、ことあるごとに親に向かい
「うぜえっ!引っ込んでろババア!」
「おれの部屋に勝手に入ったら殺すぞ!」
「てめえらがおれをこんなにしたんじゃねえかよ!」
などと言うようになります。
「野球の才能もあり、勉強もできて、
世間的に”すごくいい子”だと思っていた直人がなぜ?」
「このままどんどん非行に走ってしまうのではないか」
両親はそう心配していました。
ところが、直人はある日突然
夜遊びをやめてなぜか猛勉強を始めました。
「高校に行ってもう一度野球を頑張る」
直人のこの言葉に両親は
「直人がもとに戻った」
と喜び、安心しました。
しかし、実は直人は決してマジメになったわけではなかったのです。
勉強もスポーツもできて「優秀」を絵に描いたような直人の人生
一度はおかしな方向に向かい始めたものの
なんとか、もとに戻るように思われました。
が、現実は甘くありませんでした。
その後、直人の人生がどんな方向に動くのか・・・・
また次回お話させてもらいます。
ここで考えて欲しいのは、
なぜ、両親は直人の人生がおかしい方向に向かい始める前に
その異変に気付き、対応することはできなかったのか?
冒頭にもお伝えした
「親子の信頼関係」
これがどれだけ大切なモノか
ということが理解できていれば対応は可能だったはずです。
みなさんも
「親子の信頼関係」
ということを意識してみてください。
私のコラムは毎週日曜日に週に1~2回、配信したいと思います。
次回は、ぜひ
「親子の信頼関係」
ということを意識して、
直人のこの先を読み進めていただければと思います。