第2回再発する問題行動、そして出会い

こんにちは。
伊藤 幸弘です。
本日も僕の記事を読んでくださりありがとうございます。

今回も引き続き、今日も子育ての悩みから、ひきこもりや非行など、
子どもの問題行動に悩んでいる親御さんに役立てる情報をお伝えしたいと思います。


前回のおさらい

成績優秀で野球の才能もある直人が中1の終わり頃から度々問題を起こすようになり、ついには退学になってしまいました。
公立中学に転校し、付き合う友達が変わり、夜遊びもするようになりました。

ところが、ある日突然高校受験のため勉強するようになりました。
一見マジメに戻ったように見えた直人ですが実はマジメに戻ったわけではありませんでした。


今日のテーマ
「再発する問題行動、そして出会い」

なぜ急に直人が
「高校に行って、もう一度野球を頑張る」
と言って勉強を始めたのか?

その理由は後になって分かりました。
実は直人には友達らしい友達がいませんでした。

自分が好きなこと、興味があることが変わるたびに付き合う相手をコロコロと変えていたからです。
じっくり深く付き合えるような友達がいなかったのです。
いつも孤独を感じ、自分がどこに行けば良いのか方向性を見失っていたのです。
その孤独感をごまかすための受験勉強だったのです。
直人の猛勉強の裏にはそんな心の動きがありました。

だから、心の底から
「高校で出直したい」
と思っていたわけではなく、せっかく入学した高校も結局、たった3か月でやめてしまいました。
しかも中退した理由がちゃんとありました。

2つ年上の彼女ができて
「彼女がずっと一緒にいたいと言っている。彼女を1人にさせられない」
というのが理由でした。

彼女のことを仮にK子と呼びます。
K子は直人と知り合ったとき妊娠していました。
前の彼との子でしたが元カレはそれを認めようとはせずK子はカミソリで手首を切って自殺未遂までするほど思い詰めていました。

事情を聞いた直人は
「おれが産ませてやる。2人で子どもを育てよう」
と言い、自室のプレハブでK子と暮らし始めました。

もちろんそんなこと親が許すはずもなく、直人の母親がK子を帰そうとしますが部屋に鍵をかけて開けさせません。

K子の家に連絡をとり、親に迎えにきてもらうと直人は錯乱状態のようになって暴れ出して
自室も母親もボコボコにしてしまうのです。

そんな状態のとき、僕に相談がきました。
僕が直人にもった第一印象は
「人恋しそうで良くしゃべる子」
という印象でした。

直人が自慢げにシンナーや薬など、過去の悪時を話すのを聞きながら、
「寂しくてたまらない。自分の存在を認めてくれ」
という心の叫びが聞こえるようでした。

僕は直人の話を真剣に聞いてやりました。
結局、直人もK子も自分が愛されたくて
寂しさから解放されたくてくっついたのです。

特に直人の場合
「とにかくK子には自分だけを見て欲しい。
自分だけを愛してくれれば良い」
という思いが強いように感じられました。

その時僕は
「暴力の後には虚しさしか残らない。
オレも暴走族をやっていたからよくわかる。暴力は破壊だ。
残るのは恨みと虚しさだけだ」
とだけ言って、最後に
「何かあったら相談にのるから」
と伝えて帰ってきました。

しかし、その後も直人のワガママと暴力はおさまりませんでした。

「彼女とアパートで暮らすから金を出せ」
と母親に要求し、母親が断ると暴れるのです。

K子が来ると、K子の母親が連れ戻しにきて、
今度は直人が自分の母親を脅して、車を運転させて、K子を取り戻しにいくのです。
そんなイタチごっこが繰り返されました。

ところがある日、ぷっつりとK子と連絡が取れなくなってしまいます。
K子に会えず連絡も取れず、直人のイライラは日増しに強くなります。
「あいつを見つけて連れ戻せ」
と暴力をふるって親に無理難題を要求する日が続きます。

そんな日が数か月続いたある日、K子から1本の連絡が入ります。
その1本の電話から事態はさらに深刻化することになるのです。


この先はまた次回お伝えしたいと思います。

前回でもお伝えしましたが、
子どもが起こす問題行動の根本的な原因は
「親子の信頼関係」
にあります。

ただ、そのことに気付ける方はあまり多くありません。
さらに、もし気付いたとしても、
その信頼を築くことは簡単なことではありません。
特に子どもが年を重ねていればいるほど時間がかかります。

今回の直人のケースもやはり一朝一夕に解決には至りません。
ただし、粘り強く親が向合うことをやめなければ
必ず解決の糸口が見えてきます。
直人のケースがどのように解決に向かうのか
また次回も読み進めて頂ければと思います。

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